ずっと指示待ち人間はダメだけど、新卒は指示待ち時期があってもいい。

ベンチャー社長や人事に会えば、「主体性をもって一緒に会社を作るために積極的な人に来てほしい」と言われることがよくあるかもしれない。
入社早々、自分から動いて、分からないことがあったり、気づいたことがあったらどんどん言ったり、自分から行動したりしてね!

ベンチャー入った人、インターンした人、何かで回りでベンチャー働いている人がいると聞いたことがあることだろう。
なんかイケイケで、勢いあるベンチャー戦士から口グセのように主体性の話を説いてくる輩もいるかもしれない。
そういう輩は酒が絡むと熱苦しくなる。それは僕だったりする。

ベンチャーだけじゃない、社会はとても主体性な人を求めている。
なので、決まった管理職以上の愚痴は「主体性を発揮してくれる人が少なくて困っている」だ。
「どうした主体性を発揮してくれるんですかね?」、経営者の集まりで聞かないことがない定番悩み。
研修やら、主体的な人が集まってるような組織を持つ経営者に教わったらり、本を読んだり
部下をいかに主体性にするかで経営者は頭を抱えている。

そして、その反対にいけないこととして、取り扱われるのが”指示待ち人間”だ。
指示がないと動けないのは悪、指示を待っているだけじゃだめ。
なので、指示を出さずいかに動きたくなるかを考え、やることの意味や理由を説明し動機付けする。
それでも主体性を発揮しないなら、「最近の若い子はほんと主体性ないんですよねぇ」に辿り着く。

因みにうちもそんなことをやっていた。僕もそれを求めていた。
400万社も会社が存在するなかで、フルアウトという”妥協なく全力でやり切る”という精神を会社説明から
面談やら、面接やら、どこかで顔合わせれば言っているような会社にくるのは主体性がある人だけだバリに考えていた。
現に、ブログの最後はいつもフルアウトしますで締めている。
超主体性を求めているよということを察してほしいばかりにやってきた。

しかし、気づいてしまった。主体性は意外とハードルが高いこと。
そして、そこに辿りつくにはステップがあること。
そして、そしてだからといって主体性を発揮したくない人間は少なくともベンチャーで入社してくるような輩にはほぼ存在しないということ。

現在、社会はほとんどが人手不足。御多分にもれず我々デジタル広告業界もそうだ。
大手が未経験の採用を積極的にやるようになっているのも現状を現している。
400万社あって、人によっては企業は選び放題。
リーマンショック時代の就活をしていた僕の時とは大きな違いだ。
現状、コロナによる就職難になるんじゃないかと言われているが
直近は落ち着いてきてるし、社会も学習をし、また感染率が高くなるころには対策が取れた状況になっているだろう。
要するに、また選び放題状態に戻ると思う。

そんな中で、数ある会社から一つを選ぶ。
理由は、事業が面白い、人が良い、何かイイ、色々あるだろう。
「早く働きたいです、一人前になって一日でも早く会社に貢献したいです」この意欲も嘘じゃない。
なので企業は期待をする。
だからいきなり主体性を求めてしまう。
言い分はあるだろう。人事や社長から覚悟確認はある。
「研修もないし、自分からどんどん発信しないといけないけど頑張れる?」
「誰も仕事をくれないよ。自分から仕事は取りにいくもんだよ」
勿論、最後の覚悟を聞いて入りますと言っている人に内定を出しているだろうし
承諾する就活生も覚悟を持っていると思う。

だから大丈夫だろということで、いきなり”主体性”を求める。
教える人がいない、忙しい。分かる。暇な人なんていない。
自分たちも自分で考えて成長してきたんだ。時には怒られながら、きついことを乗り越えてきたんだ。
数人、数十人規模の会社の先輩ベンチャー戦士は、特にそういう考えの人も多いだろう。
でも、そうやって主体性をいきなり求めることで成果を出す人間に育つことが遅くなったり
最悪はやめてしまう。「自分で動けなかったからしょうがないよね。合わなかったんだよ」と言うのは簡単。
時間をかけて何度も面接したり、覚悟を確認して、相互合意の基、入社したメンバーが去っていく。
人が辞める理由も色々だから、一概には言えないけど少なくともこちら側がやれることをやったのかに指示をして
動いてもらったは追加したいくらいだ。

新卒で入るメンバーにまずあるのは”意欲”だと思う。
意欲があれば何でもできると言わんばかりに、言われたことも気づいたこともやってやろうじゃないかとやる気に満ち溢れている。
企業は、気づきばかりを求める。言うことを忘れている。
意欲的な人間は指示されたこともそれ以上にこなそうと思っているのではないか?
指示されたことを指示された通りにしかやらないと言うのなら、指示以上のことやる指示を考えればいい。

仕事の知識も経験も少ない時は、指示をする。本人が自信を持てるような成果が出るまで
指示、指示、指示でいいと思う。

そうしてたら、指示でしか動けない人間になるんじゃないですか?
と思われるかもしれない。
何か打ち込んでいたこと、スポーツでもいい、勉強でもいい、恋愛でもいい、指示待ちだけの人生だったか?
教えられて要領掴んできたら、自我が発揮される経験を誰しも一つや二つあると思う。
あんなこともしてみたい、こんなこともしてみたい、○○みたいになりたい、大きい大会に出たい、表彰されたいなどなど。

きっと指示をしているうちに、個人個人のスピードはあれど自我を出てくると思う。
「以前に指示いただいたこと、今回も同様に進める形でよいでしょうか?」
もし、上記に似たような自分の考えを言うようになった時、自我が出始めた証拠。
そこからは、サポートや本人の粗削りな部分は正しいやり方を目の前でやって見せてあげたり。

そして、仕事が回せるようになって仕事が自分で一通りできるようになったタイミングで
その仕事の面白さや、どうしてその仕事が重要かの意味や、未来どうなっていくのかを
話していく。仕事が一人で回せるようになった時、余裕ができる。仕事の全体像を見る隙間ができている。

そして、意味を知り、仕事を知り、未来に向かって貢献するとなったとき
”主体性”は発揮されるんだと思う。

人に主体性を発揮するための道のり、遠回りに感じるかもしれない。
責任やプレッシャーがかかる仕事やらせたらいい、早期に一人で営業に行かせたらいい。
そうすることでやらざるおえない状況になるから一つは育つ。
一理あるかもしれない。でも、そんな仕事はいくつあるんだろう。
また、お客様はどう思うんだろう?
否定はしないが、僕は指示からサポート、意味や未来の伝達、そして主体性発揮に導く。
それが遠回りなようで近道だと思っている。

まだまだ、新たな試みではあるけど形になったときにフルアウトは一つ成長した組織になると思っている。

変わらずフルアウトしていきます。

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