チームでのオープントークの話

※本人の許可を得て書いています。

今、社内の一つのチームを見ているのですが良いことがありました。
そのチームの長をやっている人間から、メンバーで有給を私用で取りたいという相談を受けたのですが
その理由をみんなに話したほうがいいと思うんですけど、どう思いますか?ということでした。

彼は申し訳なさそうにそれを言ってくるメンバーの理由が気になったらしく、なんだか後ろめたそうな感じもしたそうなので
聞いたら、大好きなバンドのメンバーが急に引退することになったから解散式に行きたいということだったそうです。

みなさん、そう聞いてどう思いますか?

僕はそれを聞いて「それは絶対に言ったほうがいい。むしろ隠すようなことじゃないと思う。
寧ろ、もっと有給を堂々と取りやすいようにも、本人の人間性をみんながより理解するためにも、
言ったほうがいいんじゃないか?きっと、みんなも快く受け入れると思うけどな」と言いました。

僕は、もし彼がそれを話してくれることで

その彼は、後ろめたい気持ちを持つことなく有給をもってライブを満喫できるだろうし
更にみんなが応援してくれたら、よりチームに貢献しようと気持ちが芽生えるんじゃないか

チームのメンバーは、いつでも有給を取っていいし、それに後ろめたさや申し訳なさを持たなくていいんだと
感じてくれるかもしれない。

、と彼のためにもチームのためにもなると思ったからです。

僕もブログに過去に書いていますが、大好きなイチローが引退するかもしれないと思った時に
試合を見に行ってます。
仕事も重要です、経営者ですから土日も休みもあったものではありません。
自分にしかできない仕事であれば勿論そちらを優先します。
幸いにも行きやすいタイミングの時期でした、本当に仕事で止むを得ない理由がない限り
忙しくても誰かに代わってもらえるなら、代わってもらってででも行ってたと思います。
しかし現役のイチローを見れるチャンスを逃したことを絶対に引きずってたと思います。

すると、リーダーの彼も同じことを思ったようで本人に感じたこと
聞いて思ったことを率直に伝えて、本人がオープンに有給を取ること、その理由を話したいということで
あればメンバーに会議の時に話してもらおうということになりました。

そして、本日の会議でそのメンバーが有給を取ることをメンバーに報告。
彼の口から「こんな時期に申し訳ないのですが、大好きなバンドのメンバーの引退式にどうしても行きたい。
重要なタイミングと知っているけど、有給を取ります。」という内容でした。

僕は、リーダーの彼にきっと発表する彼がみんなからもらうと思ってるリアクションと別で
きっとその理由を理解してくれるし、寧ろ応援してくれるんじゃない?と伝えていました。
そのこともリーダーの彼も同意見でした。

結果、その通りでした。彼が発表している途中にも関わらずメンバーからは
「いや、それは絶対行かないとでしょ」や全員が笑顔でその発表をするメンバー受け入れていました。

発表をした後に
みんながどう感じたかを改めて僕を含めて最後一人ずつ発表しました。

みんなが同じ意見でそれは行くべきという意見でした。
中には、「みんなにこうやって話せるチームが理想だと思う」という声も上がっていました。
勿論、話した本人にも最後に発表とみんなからのフィードバック含めてどう感じたかを聞きました。
「言うまでは後ろめたい気持ちがあったし、このまま話さないで行ってたらライブで楽しむ気持ちと
みんなに申し訳ないと思う気持ち半分のまま行ってたかもしれない。でも、話したことで
純粋に楽しんでこれると思いますありがとうございます。」ということを本人から最後に聞けました。

最初のほうにも書いたとおり、有給は自由な権利です。
別にその理由を開示する必要もないことも知ってますし、そこで、いや有給を取るべきでないという
声が上がって、彼の有給の権利がどうのこうのなるというものでもありません。
更に話したい、話したくもないも本人の自由です。ですから、このブログもそうですし
発表することも本人の意思を尊重しています。
言いたくないと言えば、それで言わないで終わりで勿論いいのです。

ですが、彼が後ろめたいままそのライブに行ってモヤモヤするのも勿体ないし
彼が休んだ理由がわからず、忙しい時期になんで休んでるんだとメンバーが思ってしまうのも悲しいことです。
僕も有給は堂々と取っていい、寧ろ自分の有給にも関わらずメンバーがエネルギッシュになるような使い方をしろと
ぐらい思っていることを伝えるいいタイミングだと思いました。

僕は6年間、経営者をやってきてグーグルが大切にしている「心理的安全性の高い組織」というのを
3年ぐらい前から目指してきました。
そこには、素晴らしいチーム、組織になるためには「一緒にチームで働くメンバーに、今の自分の心境や大切なことをオープンに話すこと」と書いていました。僕自身が今リーダーの彼と毎日それを実践しています。
それを目指す少し前に、会社組織が崩壊したことがあります。たった十数人にも関わらずチームはめちゃくちゃになりました。
でも、その理由は僕が思っていることを隠して、自分の本当の感情を我慢して、本音を話さず自分を大きく見せようとした結果
招いたことでした。
ですから、自分が原因だと知ったときに社員にどう思っていたか、どう感じていたかをオープンに一人一人に話しました。
その時に話した一人が、そのリーダーにまでなった彼でもあります。
「社長になのにそんなことを思ってたんですか?」とか「そんな考えだったのが残念です」とか言われるんじゃないかという
不安や恐怖はありました。しかし、その時のメンバーから出たのは「社長が何か思っていることは気づいていました。むしろ言っていただきありがとうございます」や「そうやって思っているなら言ってほしかったです。僕はこういうつもりでこうしていただけなので、それがそうならそれでやりたいです」と想像してなかった前向きな答えばかりが聞けました。
そこから一度、ピンチを脱出しました。

今でも僕が悲しいと思ったこと、嬉しいと思ったこと、今のチーム、仕事の進捗状況で感じていることを共有しています。
上手くいったり、いかなかったり、成功と失敗を繰り返していますが
今見ているこのチームで心理的安全性の高い組織を目指しています。
このブログもその一環だったりします。

逆にそれをオープンにして、メンバーが受け入れなかったどうするのか?
という考えもあるかもしれません。
それはそれで、対処すればいいのです。方法は考えればいくらでもあります。
あぁなったら、こうなったらと考えていたら何も進みません。
素晴らしい組織、理想の組織、各それぞれがどんな時もイキイキと働いてほしいと思っているので
そのために効果的だと思うなら、失敗を恐れずにチャレンジをしていきます。
駄目だったら、またすぐに新しいことにチャレンジすればいいんですから。

オープンに話すことは、メンバーへの信用、信頼の現れだと思っています。
嘘や隠ぺいはメンバーに対する裏切りです。
僕だったら、話しずらいことを話してもらうことでいつも「話してくれてありがとう」と思いますし、そう言います。

何が正解かなんかはわかりません。
ですが、効果的だと思う選択をして、こういうチームであれば最高だと思うことなら
これからもどんどんチャレンジしていこうと思っています。

今日は、よりチームが素晴らしくなったように感じました。

より素晴らしいチームになるためにも、日々フルアウトしていきます。

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